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kenkenの『今ならこのカメラが欲しい!』

−2015年11月版−




いつになっても悩ましいデジカメ選び
人によって、目的や好み・周辺機材との兼ね合い等、事情が皆様異なりますので
万人の方に対して 『これが良い!』 と画一的にオススメできるデジカメは恐らく存在しません





はじめに - 必ずお読みくださいませ

新しくカメラを購入する。

実はkenken自身がいまだにそうなのですが、新しくデジタルカメラを買おうとした場合、どのメーカーのどの機種を選べば良いのか? ・・・本当に悩みますよね。

まず、初めてデジカメを買われる方と、既にデジカメをお使いの上で買い替え・買い増しを検討されている方では、そもそもその時点でのご経験の有無が決定的に異なりますので、選び方の基準そのものが全く変わってきます。
変わると言いますより、後者の皆様の場合、例えば画素数的なものであるとか高感度特性的なものであるとか、あるいは 『動画撮影に重点を置く機会が増えてきたから』 とか 『もっとズーム幅の広い機種の方が自分の使い勝手には合っていそうだ』 とか、現状のお手持ちのカメラではまかない切れないと感じている明確な基準や理由すでにご自身の中でお持ちである場合 が多いと思います。

また、例えば一眼選びの場合であれば既にお手持ちのレンズ資産との関係とか、コンデジであればお手持ちの予備バッテリーが使える機種であるかどうかとか、あるいは日頃から丁寧なレタッチ仕上げや RAW からの現像処理を頻繁に行っておられる方にとっては、メーカー毎の ”絵作り的・色味的な特徴” や、あるいはメーカー付属の画像処理ソフトの使い勝手・使い慣れの度合いとか、その辺の兼ね合いこそが次のカメラ選びの上で何よりも重要になってくる場合もあると思います。

ですので、ここに書いております 『今ならこのカメラが欲しい』 というのは、それら様々な要素を踏まえた上での、あくまでもkenkenのいち個人的な現状と主観によるものですので、その点はくれぐれもご留意いただけますようお願いいたします。
その上で、もしkenkenの個人的な現状と、その現状からの次のカメラ選びの考え方が、皆様にとって何かのご参考にしていただけるようでしたら嬉しいです。


▽kenkenの2015年11月現在の現役使用機材です



※上列 左:ソニー NEX-5N  / 中:キヤノン EOS-1DX / 右:キヤノン EOS-1Ds2
  下列 左:ソニーアクションカム AS100V / 中:キヤノン Powershot S100 / 右:キヤノン EOS 5D3

あくまでもkenkenの場合のお話ですが、静止画撮影は、2003年に EOS 10D を買って以来、レンズ資産と、キヤノンの絵作りやカメラに付属しているソフト DPP の使い勝手に慣れた関係で、以降、基本的にキヤノン機が主体となっています。
動画撮影は、当時唯一 FullHD 1920p で撮影できる NEX-5N を買って以来、基本的にソニー機が主体となっています。



カメラ選びの上で、ここ数年で大きく変化してきた重要な要素

デジタルカメラ自体の性能とはちょっと離れた部分のお話なのですが、実はカメラ選びの上でかなり重要と思われる要素がありまして、それがここ数年で大きく変化してきています。

デジタルカメラがデジタル機器である以上、”パソコンの性能” と ”記録メディア” とは、切っても切れない重要な関わりがあるのですが、ここ数年、特に 『記録メディア』 が大幅に進化 (大容量化&高速化) してきました。 コンパクトフラッシュにしても SD カードにしましても、3年ほど前はコスパ的な感覚では8GBあたりが一般的だったような気がするのですが、今では同じくらいのコスパ感覚で64GBや128GBほどもの大容量メディアが買えるようになってきています。
この間、もちろんデジカメ自体の平均的な画素数も向上して1枚当たりの容量も大きくなって来ているのですが、それでも、比率的に考えますと記録メディアの大容量化の方が2〜3倍は上回っていると思われます。

つまり、これによって何が変わるかといいますと 『一般的な日常使いでも常に RAW で撮影できるようになってきた』 という点で、これは、少なくともkenkenにとっては、カメラ選びの上で革命的とも言えるほどの大きな変化・進化であるように思えています。

一般的・平均的には、画素数が同じであれば映像素子の大きなカメラほど画質は良くなる傾向にある、と言えるのですが、それはあくまでも撮って出しの JPEG 画像同士を比較した場合のお話です。
仮に、同じカメラの同じ設定で JPEG と RAW の両方で撮った写真があったとしますと、撮って出しの JPEG より、RAW で撮ったデータを後から細かく調整しながら現像した方が、まず間違いなく、画質は良くなりますし、またそうでなければ RAW の意味がありません。

例をあげますと、たとえば以下のような場合です。

※kenkenの所有機材 Powershot S100 で ”RAW + JPEG” で撮影したもので、左がカメラの撮影時設定
 による JPEG 画像、右が RAW を調整した上で現像した画像です。
※画像クリックでそれぞれ拡大表示されます。


 雨上がりの非常にみずみずしい雰囲気だったのですが、カメラのオートホワイトバランスでは少し緑+青みがかかった印象で、全体的に何となくくすんだ雰囲気になってしまいました。
右の画像は、キヤノンの付属ソフト DPP で RAW 現像したもので、ホワイトバランスを ”くもり”、ハイライト側の照度だけを ”1目盛りプラス” に調整し、現像したものです。


 晴れた日の夕暮れで、全体的に山の影に入った状態の中で撮ったもので、カメラのオートホワイトバランスでは少し青みがかかり、実際よりも少し明るめな印象に写りました。
右の画像は同じく DPP で RAW 現像したもので、ホワイトバランスを ”日陰”、明るさ調整で ”−0.33” + シャドウ側の照度だけを ”1目盛りマイナス” に調整し、現像したものです。


これら、撮影時にカメラ設定を調整すれば最初から右の画像に近い印象の JPEG 写真が撮れるのですが、でも実際問題、刻一刻と照度の変わる夕暮れの時間帯とか、あるいは観光地など人の流れの中でゆっくり同じ場所に留まりにくい場面など、最適なカメラ設定を探しながら撮影するのがなかなか難しい場合も多いもので、そのような状況の時に、後からゆっくり調整できる RAW で撮影できる事は、やはりメリットは大きいと思います。

少しお話のニュアンスが逸れてしまいましたが、つまり、映像素子の大きなカメラ (例えば一眼デジタルカメラ) で JPEG 撮影する場合より、映像素子の小さなカメラ (例えばコンデジ) で RAW 撮影したものを後から調整しながら現像した場合の方が、結果的に画質が良くなる場合が多く、また表現的にも自分にとってより望ましい結果が期待できる可能性も高まるように感じています。

もちろん、RAW で撮るなら撮るで、映像素子の大きな一眼デジで RAW 撮影した方がコンデジより良好な結果が期待できる事に変わりはないのですが、いずれにしましても、

『コンデジで RAW 撮影したものを後から調整しながら現像した画像は、一眼で JPEG 撮影した画像より良好な結果が期待できる場合も多い』

と、kenken個人的には思えています。

つまり、記録メディアの大容量化・高速化の恩恵で ”常時 RAW 撮影” が視野に入ってきた昨今では、RAW 撮影機能を持ったコンデジ はメインカメラとしての位置付けもこなし得る時代になってきているように感じていまして、その点で、こと ”静止画の画質” に関しましては、『カメラ選びの幅』 が広がってきているように思えています。




kenkenにとっての、現状の中で次に欲しいカメラのポイント

まず、さきほどご紹介しました現在のkenkenの使用機材ですが、それぞれ、現状では以下のような用途で使っています。

●キヤノン EOS-1Ds MarkII
今では映像エンジン的に4世代前となる旧機種で、既にメーカーサポートも終了しているのですが、小気味の良い独特のシャッター音がモデルさんからのリクエストも多く、kenkneの人物撮影 (ポートレート) 用途では今でも 1Ds2 が主体となっています。
また現在の最新機種と比較しますと ISO オートを搭載していない等 ”不便な部分” がいろいろあるのですが、何となくそれがカメラの原点でもあるような気がしていて、普段のプライベート撮影でも使ってみることが多いです。

●キヤノン EOS-1DX
イベント撮影や舞台撮影が主体です。
キヤノン機では、今ではカタログスペック的には EOS 7D MarkII の方が高性能となっているのですが、舞台裾からの近距離撮影では広角寄りが必要となる場合も多いため、kenkenの用途としてはこちらの方が適しているような気がしています。

●キヤノン EOS 5D MarkIII
ポスターやチラシなど商業印刷等、高画素が必要となる用途が主体です。
できることなら EOS 5DsR が欲しいところですが、そのためにはレンズも新しいものを揃える必要がありそうで、とりあえず現状は 5D MarkIII で特に不足もありませんので当分は使い続けると思います。

●ソニー NEX-5N
もともと、舞台の動画撮影用として、出来るだけ画質が良くて高 ISO で撮影できるもの、という基準で探して購入しました。 主に動画撮影用途で使用しています。
これも既に4世代ほど旧機種となり、更に昨今では4K動画の声も聞こえるようになってきていますが、とりあえず現状のkenkenには NEX-5N で十分です。

●ソニー AS100V
2年ほど前に、知人に誘われて趣味で自転車を始めたのですが、その車載動画撮影用に購入しました。
完全にプライベート用です。

●キヤノン Powershot S100
ほぼ毎日、どこに行く時も常に持ち歩いています。
日常のスナップや記録・写真メモ用。


kenkenの現状的にはだいたいこのような感じになっています。
仕事としましても細々とカメラマンをしているのですが、仕事上では、現状ベストとは言えないものの、特に何かが不足しているとも感じていません。 上で述べていますとおり、敢えて申し上げれば EOS 5DsR が欲しいところです。

ただ、仕事とは離れたプライベート用途な部分でちょっと問題がありまして、実はほぼ毎日のように持ち歩いている Powershot S100 の液晶画面が壊れかけています(笑
壊れるというより、1年ほど前何かのイベント撮影の際に液晶側を下にしてテーブルに置いておいたところ、こぼれたコーヒーに浸ってしまって、液晶にコーヒーが染み込んだようになってしまいました。



とりあえず撮影機能自体には影響はなく、上の写真も実際には問題なく撮れている状態ですので、そのまま1年以上使用し続けてきたのですが、



やはり撮影時にモニター画面上でチェックするには何かと不便な場合が多く、これに変わるコンデジが、kenkenの場合は現状で一番欲しいカメラかも知れません。

そこで、これもkenkenのいち個人的な基準なのですが、カメラを持ち歩く際のサイズ的なことに関しましては、”ポケットに入るか入らないか” が最大のポイントとなっています。 いささか乱暴で極端ではありますが、ポケットに入らないのであれば NEX-5N も EOS-1Ds2 も同じ、という感じで、持ち出す際はいさぎよくカメラバッグに入れて出掛けるようにしています。

そこで S100 の後継機を調べてみたのですが・・・残念ながら、S100 の直接的な後継機は約2年前に発売された S120 が最後のようです。 同じ S シリーズの S200 というカメラがあるのですが、S200 は RAW 撮影が出来ないようで、現在 ”RAW 撮影できるコンデジ” としては、S シリーズより更に高性能になった G7X という機種が出ているようです。


Canon Powershot G7X

@Amazon

この G7X ですが・・・調べてみますと驚くほど高性能なスペックになっています。
映像素子サイズはコンデジとしては劇的に大きな1インチのものが採用されているようで、これは S100〜S120 シリーズの 1/1.7 サイズと比較すると約2.6倍ほどもの大きさになります。
搭載されているレンズも 24-100mm / F1.8-F2.8 となっているのですが、望遠側で F2.8 というのは驚異的な明るさです。
キヤノンでは一眼用高性能ズームレンズに EF 24-70 F2.8L がありますが、明るさとズーム域だけで見ますとG7X の方が上と言えて、これは相当にスゴイ事だと思います。
画素数も 2000 万を超えていますし、常時 RAW 撮影を行う前提であれば、ひと昔前の一眼デジに 24-70 F2.8 を装着した組み合わせがポケットに入るサイズに凝縮された感覚に近いかも知れないです。
最近、自転車趣味でサイクリングフォトを楽しむ機会が増えているkenkenにとっては、この G7X は理想的なカメラと言えるかも知れないです。

ただ・・・この驚異的なスペック的に致し方のないこととは思うのですが、今使っている S100 と比べますと、どうしてもサイズ (厚みと重さ) が大きくなってしまうようです。

そこでさらに調べてみますと、G7X をややスペックダウンした代わりにサイズ的には S100 とほとんど変りがない G9X という機種も出ているようです。


Canon Powershot G9X

@Amazon

これも RAW 撮影機能に1インチ映像素子 ・ 28-84mm / F2-F4.9 のレンズと、コンデジでは十分すぎるほどの高スペックです。
シルバーに革張り調のデザインはキヤノンにしては珍しいような気がするのですが、全体的にスッキリしたレトロ感のようなイメージがあってお洒落ですね。
ただ、kenken個人的には、広角側はやはり 24mm が欲しかった気がします。

今、改めてキヤノンのホームページを見てみたのですが、どうやら Powershot の S シリーズは生産終了しているようで、現行機で、無理なくポケットに入るサイズのコンデジで RAW 撮影機能を持っているのは、上記 G7X と G9X の2機種だけのようですね。

そう考えますと、kenken個人的には、現在使用している Powershot S100 がいかに自分の用途に適したカメラであるかが、改めて再認識される思いです。
結局、このまま (もしくは液晶を修理に出して) S100 を使い続けるか、あるいは型落ちではありますが
RAW 撮影機能を備えた S シリーズの最終型である S120 を探したくなってきます。


Canon Powershot S120

@Amazon

なんだかまとまりの無い雑感のような内容になってしまいましたが、結局、今のkenkenにとっての 『欲しいカメラ』 は、

Powershot G7X か、
Powershot S120 (型落ち品 ・ もしくは中古)

ということになりそうです。











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