■デジカメ入門☆使い方・使いこなし&撮影テクニック教室 >> デジカメ&撮影の基礎を覚えておこう!  




露出について



写真の明るさは露出で決まり、そして露出の組み合わせは無数にあります
カメラの自動露出の特徴を把握して使いこなしましょう





同じ明るさに写すための組合せは無数にあります

こちらの 『絞りとシャッター速度』 でも書いていましたが、この、絞り ・ シャッター速度 ・ ISO の推移表をもういちどご覧下さい。

項目 単位 一段変動値
絞り F 1 ←→ 1.4 ←→ 2 ←→ 2.8 ←→ 4 ←→ 5.6 ←
→ 8 ←→ 11 ←→ 16 ←→ 22 ←→ 32 ・・・
シャッター速度 1 ←→ 1/2 ←→ 1/4 ←→ 1/8 ←→ 1/15 ←→ 1/30 ←
→ 1/60 ←→ 1/125 ←→ 1/250 ←→ 1/500 ←→ 1/1000 ・・・ 
ISO ISO 100 ←→ 200 ←→ 400 ←→ 800 ←→ 1600 ←→ 3200 ←
→ 6400 ←→ 12800 ←→ 25600 ←→ 51200 ←→ 102400 ・・・

これら、絞り ・ シャッター速度 ・ ISO の組み合わせで写真の明るさを決めることが出来るのですが、この時 ”同じ明るさ” に写せる組合せは無数にあります。

例えば、F8 ・ 1/100 ・ ISO400 で写した時の、ある明るさがあるとします。
この時、仮に F 値を一段開けると、写真の明るさも一段明るく写ります。
でも、その上でシャッター速度を一段速めると、写真の明るさは元に戻ります。

何かで1段プラスしても、他の何かで1段マイナスにすると、差し引きで同じ明るさになります。
例えば、下の表の設定ではすべて同じ明るさになります。

は明るく調整される変更で、は暗く調整される変更です。
+方向の設定量と−方向の設定量が同じ場合
トータルとしては差し引きゼロになるので、同じ明るさに写ります

F 値 SS ISO 変化した点
基準の値 F8 1/100 400 この時の明るさが基準
F値が同じ F8 1/200 800 SSが段早まり、ISO感度が段上がった
F8 1/50 200 SSが段遅くなり、ISO感度が段下がった
F8 1/25 100 SSが段遅くなり、ISO感度が段下がった
SSが同じ F11 1/100 800 F値を段絞って、ISO感度を段上げた
F5.6 1/100 200 F値を段開けて、ISO感度を段下げた
F4 1/100 100 F値を段開けて、ISO感度を段下げた
ISOが同じ F11 1/50 400 F値を段絞って、SSを段遅くした
F5.6 1/200 400 F値を段開けて、SSを段早めた
F16 1/25 400 F値を段絞って、SSを段早めた
全て変動 F16 1/50 800 F値を段絞って、SSとISOを1段づつ調整した
F4 1/800 800 SSを段早めて、F値段と ISO段で調整した
F1.4 800 100 F値を段開けて、SSで段と ISO で段調整した

▽ 同一露出になるよう撮影したサンプルです ▽

F1.4
1/2000
ISO400
F2.0
1/1000
ISO400
F4.0
1/500
ISO800
F8.0
1/125
ISO800

これがカメラの露出を決める基本的な考え方です。
上の表のような書き方をしますと、『露出を決めるのは覚えることが多くて、写真を撮るって大変そう』 と、思われてしまう方もおられるかも知れませんが、でもご安心ください。 これらの露出は、全てカメラが自動的に決めてくれます。



カメラの自動露出について

デジタルカメラには、自動的に露出を調整する機能が付いていますので、ユーザーはややこしい露出の設定を気にすることなく、キレイに明るさが調整された写真を撮ることができます。
この、カメラの自動露出機能のことを 『AEAutomatic Exposure)』 といいまして、プログラムAE、絞り優先AE、シャッター速度優先AE のように表現されます。

しかも、今のデジカメは、この AE がさらに進化していて、人物の顔を自動検出して、露出の基準を顔に合わせるという、オートフォーカスや顔検出機能と連動したAE まで登場しています。 そしてその機能は、今ではほとんどのデジカメに搭載されています。

これら AE はかなり正確ですので、ほとんどの場合、撮影者は何も意識することなく、カメラ任せでシャッターを押せすだけで適切な明るさに調整された写真が撮れます。

ただ 『ではカメラのAEは常に正確か?』 というと、残念ながらそうとは限りない場合があります。
カメラの AE が苦手とする状況も色々とあって、その時に失敗写真ができてしまいます。



AE が苦手とする状況を覚えておきましょう

カメラの AE が苦手とする場面で写真を撮ると、多くの場合、出来上がった写真 (モニタに映し出される写真) を見た瞬間に 『・・・あれ?何かちがう!』 と、ちょっと違和感を感じると思います。

このような時、『このカメラではきれいに撮れない』 『このカメラではこの状況は無理みたい』 『このカメラではこの辺が限界』 と思って諦めてしまったことはないですか?

実は、カメラが苦手とする状況、と、それを回避するためのちょっとしたコツ、を覚えておきますと、それだけでキレイな写真が撮れる確率が格段に高くなります
決してややこしいことではありませんので、ぜひ活用なさってみてください!

カメラの AE が苦手として、そして一般的に最も頻繁に直面する状況が、以下の通りです。

▽AE が苦手とする状況 ▽その時の結果
1:画面全体的に白っぽい部分が多い時 全体的に暗く写ってしまう
2:画面全体的に黒っぽい部分が多い時 全体的に明るく写ってしまう



AE は18%グレーを基準にしています

実はこの2は同じ理由から発生していまして、例をあげてみますとこんな感じになります。

画面に白っぽい部分が多い 18%グレーカード 画面に黒っぽい部分が多い


これをカメラ任せの AE で
普通に撮ると・・・


全体的に
暗く写ってしまいます

AEはこの明るさ(色)
に近付けようとします

全体的に
明るく写ってしまいます

カメラの AE は18%グレーを基準にしています

なぜこんな風に写ってしまうかと言いますと、実は カメラの AE は18%グレーの明るさを基準 にしていて、白でも黒でも18%グレーに近い明るさに合わせようとする からです。 そのため、結果的に、白いものは暗く、黒いものは明るく写ってしまうことになります。

このような場合、非常に簡単な一手間で露出を調整出来ますので、ぜひ 『露出補正を使ってみよう』 をご覧になって、実践なさってみてください。


●関連項目:露出補正を使ってみよう
●関連項目:適正露出とは?
●参考:18%グレーカードを使った露出補正の方法







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