印刷と画素数の関係

家庭用(一般)印刷と、商業用印刷で、必要画素数は大きく変わります

●用途によって必要画素数を選びましょう

一般的には、デジカメの画素数は1000万もあれば十分で、1000万画素だったらA3サイズでもキレイに印刷ができる、と、言われています。

確かにkenkenもその通りだと思うのですが、これはあくまでも、家庭のプリンタでの印刷とか、一般的なDPE屋さんでプリントしてもらう場合のことです。 もし、お店のチラシやパンフレットなど、印刷業者さんに頼んで印刷物を作成されたい場合は、かなりお話が変わってきます。

印刷をする際には dpi (または ppi )という単位で考える場合が多いのですが、これは ”Dot Per Inch(ドット・パー・インチ/ppi はピクセル・パー・インチ)” の略で、印刷した時の仕上がりサイズ1インチ当りにいくつのドットで描写されるか、ということを表しています。
そして、一般的に 250dpi とか 350dpi といった使い方をされて、この数値が少ないと荒い印象になり、多いほど精細な仕上がりになります。

分かりやすくするために非常に荒い説明になるのですが、具体的には下のような感じとなります。
(※それぞれ、この画像の幅 ・ 高さが1インチだと仮定してご覧ください)
30dpi での印刷イメージ
縦横共に30個のドットで形成されます
60dpi での印刷イメージ
縦横共に60個のドットで形成されます
これが細かくなるほど精細な仕上がりに見えるようになるのですが、その一方で、ある一定の精細さを超えると、それ以上は人間の目では判断できなくなります。
そして一般的に、その判断できなくなる境界が 220dpi あたり、と言われています。
ですので、1000万画素 (約3640×2730) の写真を A3 サイズ (42cm×29.7cm) で印刷する場合でしたら、1インチ=2.54cmとしてちょうど 220dpi くらいとなります。

ところが、これが外部印刷屋さんにチラシなどを発注する場合ですと、一般的に商業印刷の場合は 350dpi が1つの基準とされていますので、この場合1000万画素だったらA4サイズにも足りなくなってしまいます。
もちろん、だからと言って、チラシで1枚の写真(商品)をA4サイズいっぱいほどの大きさに使うことはほとんどありえないと思うのですが、デジカメを仕事上の印刷目的で使用される場合は、この辺りにはご注意なさっておいてください。
dpi 220dpi 基準 350dpi 厳密 350dpi 実際
画素数 A4 A3 A4 A3 A4 A3
500万画素 × × × × ×
750万画素 × × × ×
1000万画素 × × ×
1250万画素 ×
1500万画素 ×
1750万画素 ×
2000万画素

△ = 微妙に足りないのですが、Photoshop などで補間拡大したデータで何とかOKと思える範囲です。
○ = ギリギリOKという範囲です。
◎ = 余裕を持った仕上がりになります。

※お店プリントなど L版、2L版くらいの場合でしたら、500万画素あれば十分に大丈夫です。
※この右端の 『350dpi 実際』 というのは、Photoshop などで補間拡大したデータを作成する場合です。
  実際には、商業印刷でデジカメの写真だけをそのまま入稿することはまずありえませんので、だいた
  い1250万画素あれば、A3サイズ用のデータ作成でもOKなような印象があります。