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海水浴場やプールでの撮影時の注意点 - 迷惑防止条例について



夏の海水浴場やプールなど、夏の思い出の1つが撮りにくい時代になってきています。





海水浴場やプールなど、新たに撮影禁止となりつつある場所も増えてきています

京都や各地の神社仏閣 の他にも、近年では夏場の海水浴場やプールでも写真撮影に神経を尖らせているところが増えてきています。 特にプールの場合は撮影どころかカメラそのものの持込が禁止されているところも多々あります。

この理由は皆さんだいたいご想像頂けるかと思うのですが、わいせつな目的で露出度の高い女性を撮影したがる変質者(”カメラマン” とは書きたくありません)が存在するからです。
これはマナーというより、どちらかというと各都道府県や市・区が定める 『迷惑防止条例』 寄りのもので、基本的に、海水浴を楽しみに来ている女性が迷惑と感じる行為を防ぐことを目的とした理由です。

もちろん、全ての海水浴場やプールで一切の撮影が禁止されている訳ではないのですが、仮にそれが遊園地や観光地など女性が水着姿でない場所であったとしても、普通、他の人にレンズを向けて写真を撮りまくるような行為は不審を抱かれるもので、そういう撮影の仕方を海水浴場やプールで行うと迷惑防止条例の対象となる場合がある(変質者と誤解される場合がある)、ということです。

ですので、遊園地や観光地で家族や仲間内の写真を撮る事には何の問題もないのと同様に、海水浴場でもそういう撮影の仕方をしている限りは、多くの場合何も問題はないと思います。
『多くの場合』 というのは、周囲の人や監視員に誤解を受ける可能性はゼロではないからです。

無用なトラブルを避けるためにも、海水浴場などで撮影を行う場合は、画角内に他の人(特に女性)が入るアングルではない事を頭の中で確認してからレンズを向けるようにされた方が無難かも知れないですね。



それでもやっぱり、魅力的な女性は撮らせて頂きたい、という場合は

海水浴場やプールに限らず日常の街中などでも同様なのですが、写真趣味の一カメラマンとしては、
”スタイルの良い女性”、”ファッションセンスの良い女性”、”美しい女性”、”可愛い女性”、つまり ”=絵になる女性” を見かけると、ついついレンズを向けたくなるもので、もはやこれは一種の習性と言っても過言ではないかも知れません。
ちなみにkenkenの場合、2009年にある知人男性の宣材写真(※)を撮らせて頂く機会をいただいて以来、”絵になる男性” にも同様にレンズを向けたくなる傾向があります。

きっかけは人それぞれかと思うのですが、例えば知人に結婚式での写真撮影を頼まれたりすると、それまであまり気にしていなかった暗所撮影の注意点やストロボの使い方など、結婚式撮影に関連しそうないろんな事が気になりだして、本番では少しでも良い写真が撮れるように、撮影を頼んでくれた人の期待に応えられるようにと、一生懸命に研究・勉強するようになります。
で、カメラマンが女性写真を撮りたくなる心理の一番の ”きっかけ” は、恐らく、カメラマンなら誰でも1冊や2冊は買った事がある写真雑誌やカメラ雑誌に載っている 『女性ポートレート作例』 で、それに影響を受けて女性写真を撮ってみたくなる方も多いのではないでしょうか。

つまり、カメラマンの場合はあくまでも ”作品的な目的として撮影したい” という思いが最前提として念頭にあるのですが、変質者の場合は ”わいせつな目的として撮影したい” という思い以外に恐らく何も念頭にありません。
ところが他の人から見れば撮影者の ”念頭” など目には見えませんので、その撮影者がカメラマンなのか変質者なのかは、結局のところ撮影者と被写体の間の 『空気・雰囲気・撮り方』 といった辺りで判断するしかありません。
少なくとも被写体側の人にとっては、家族・友人・知人、あるいは 『声を掛けられた上で撮影されることを許可した場合』 以外は、全て 『見ず知らずの他人に勝手に写真を撮られている』 という状況に当てはまる事になりますので、そういう撮り方をしていて変質者だと誤解されても弁解の余地は一切ありません

この辺りが、”マナーの問題” と ”条例の問題” の分岐点になってくるような気がするのですが、ここでカメラマンの皆さんにご注意頂きたいのは、そもそも 作品的な目的で女性を撮影したい というのは基本的にポートレート以外にありません。
絵になる女性を見かけるとついついレンズを向けたくなるのですが、そこで、『勝手に撮る』 のと 『声を掛けて撮らせて頂く』 のとでは大違いで、それが ”マナーの境界線” であると同時に、”スナップ写真とポートレート作品の境界線” にもなってくるような気がします。
写真雑誌やカメラ雑誌に掲載されている作例は基本的に全てポートレート作品で、被写体に無断で撮影したスナップ写真が作例として掲載される事など基本的に有り得ません。

ひと言に女性写真 (女性が写っている写真) と言っても、スナップ写真とポートレート作品は本質的に大違いですので、この点をしっかりと認識した上で撮影に臨むことが大切だと思います。
そして、海水浴場やプールでは、女性を ”スナップ写真” 的な撮り方をすると迷惑防止条例的な意味で誤解される可能性が高い(また誤解されても弁解の余地は一切無い)のですが、声を掛けた上でポートレート的な撮り方をさせて頂く場合は何も問題はないと思います。
デリケートな問題を含んだ場所柄であるほど、”撮影マナー” が大切になってくるのかも知れないですね。


※宣材写真
著名人などメディアやイベント出演の多い方が、その主催者パンフレット等で ”出演者紹介” などの欄に載せるための写真のこと。 企業HPなどの代表者あいさつページにも社長さんの写真が載っている場合が多いですが、それも一種の商材写真です。


▽関連項目
カメラマンの撮影マナー 〜 京都寺社の撮影禁止事情
街角スナップについて 〜 他人の写真を勝手に撮るということ








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