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デジタルカメラは明暗差が苦手!



画面内に入る、光の大きさ、方向、強さ、で被写体の写り方が変わります





光の状況による写真への影響具合を掴みましょう!

デジカメは、画面内に明暗差の大きな部分が出来る状態が苦手です。
まずはこちらの写真をご覧ください。全てカメラのプログラムモード (自動AE) で撮影したものです。

駐車場の中ほどで撮影した場合です。
画面内に占める外光部分が少ないためそれほど大きな影響を受けずに、比較的明るくマスコットが写っています。
ほぼ、天井の蛍光灯の明るさだけで撮られている状態です。
(シャッター速度が遅くなって手ブレしてしまっていますが・・・)
駐車場縁の開口部に近付くと、外光の影響が大きくなり、カメラが 『外の明るさに露出を合わせようとする度合い』 が大きくなって、その結果としてマスコットが暗めに写ってしまいます。
さらに開口部分に近付くと、画面内に占める外光部分の度合いが一層大きくなって、マスコットの明るさも一層暗くなります。

いかがでしょうか。
画面内に占める、明暗差の大きな部分の比率が大きくなるにつれて、被写体が暗くなっているのがお分かりいただけるかと思います。

これらそれぞれ、手のひら側は駐車場天井の蛍光灯で照らされている状態なのですが、開口部から見える外部の方がはるかに明るくなっています。 この日は曇天模様で太陽は隠れた状態だったのですが、それでもこれだけの明暗差が出てしまいます。

日常的にはあまり意識することがないのですが、やはり太陽による自然光の明るさは絶大で、曇天の夕方でも、室内の人工照明とは比較にならない明るさがあります。 そしてその外光部分が画面内に入る状態で写真を撮ると、外光部分が画面内で占める度合いが大きくなるほど被写体が暗くなってしまいます。
これは立体駐車場で撮影したものですが、同じような状況としては、大きな窓がある室内の窓辺などがそうで、窓の外の景色を背景にして人物写真を撮りたいような時なども、上のマスコットと同じように人物の顔が暗く写ってしまいます。

他にも、『見晴らしの良い展望レストラン』、『ガラス越しに中庭に面したホテルのロビー』、『京都の庭園風景』 など、おそらく皆さん、窓の外を背景にして人物写真を撮って、人物の顔が暗く写ってしまったような経験を、1度や2度はお持ちのことと思います。
被写体が自然光の陰に入っている状態の時は、その陰の部分にどんな人工照明があっても、外の自然の明るさよりは暗くなってしまいます。

これは、プロ用の高級一眼デジカメだったらきちんと写るとか、そういう性質のものではなく、どんなデジカメでもこのような写り方になります。

この 『画面内にどれくらい外光部が入った時、被写体がどんな明るさに写るか』 を感覚的に掴んでおきますと、失敗写真になってしまう確率はかなり軽減されます。
もちろん、この度合いは天候や被写体の向きによっても千差万別に変わってきますので、決して簡単に掴めるようなものではありません。
ですが、たくさん写真を撮る内に、必ず感覚的に分かるようになってきます。 そして一度感覚を掴めれば、その感覚こそが何物にも代え難い貴重な技術となりますので、ぜひ頑張ってみてください。



露出補正やフラッシュを積極的に使ってみましょう!

なお、このような状況で、被写体を明るく写す方法は2つあります。
『被写体に露出を合わせる』 か 『フラッシュを使う』 ことです。

被写体に露出を合わせた場合

露出補正機能で+1・2/3段補正した状態です。
この場合、マスコットは明るく写りますが、外の明るさも同時にプラス補正されますので、結果として、外の景色が飛び気味になっています。
フラッシュを使った場合

フラッシュを使うと、外の景色も適切な明るさで被写体も明るく写せます。

このように、露出補正かフラッシュを使うと、被写体を明るく写せるようになります。
ただ、上の写真のように、結果はまったく異なったものになりますので、これも数を撮って経験を重ねる中で、イメージに合った方法を選択なさってください。

なお、このような状況の時に、フラッシュなどの補助照明を使わずに、被写体と外の景色を同時に明るく写す方法はありません


2009年後半頃から、キヤノンの ”i コントラスト” やフジの ”ダイナミックレンジ優先モード” など、明暗差が激しい中での白飛び・黒つぶれを、緩和しようとする機能が出てきています。







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