■デジカメ入門☆使い方・使いこなし&撮影テクニック教室 >> デジカメ&撮影の基礎を覚えておこう! |
JPEG画像とRAWデータ |
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●JPEG は ”画像” で RAW は ”データ” |
一般的に、ほとんどの方は普段はJPEGで撮影されていると思うのですが、一眼デジカメや、高級コンデジでは、JPEG画像の他にRAW形式でも撮影ができるようになっています。 RAWとは 『生』 または 『未加工』 を意味していて、最終的な画像を生成する全ての要素が含まれた状態のデータのことです。 ですのでRAWデータ自体は、RAW用の特殊なソフトがなければ画像として見ることが出来ません。 そのRAW形式で撮影されたデータは、撮影後にパソコン上で画像として仕上げる処理が必要になるのですが、この、画像を生成する処理のことを RAW 現像 といいます。 最初から JPEG で撮っておけばそのまま画像として完成しているのに、どうしてわざわざ面倒な手間が必要になる RAW などという形式があるのでしょうか? |
●RAW は画質が劣化せず、後処理の幅も広がります |
RAW データには、 ・ ホワイトバランス ・ 明るさ ・ 色調 ・ 彩度 ・ コントラスト ・ シャープネス など、画像仕上げに関する全ての要素が含まれていて、それらを撮影した後でも調整することが出来ます。 JPEG の場合は、撮影時にカメラで設定された状態でそのまま画像となって仕上がるのですが、それをパソコン上で、画面を見て調整しながら仕上げることができるのです。 しかも、画質はほぼ全く劣化なしの状態で何度でも繰り返し現像できて、その上 TIF など JPEG より更に階調性の豊かな画像形式で写真を仕上げることも出来ます。 |
●デメリットもあります |
しかしながら、RAW にもデメリットはあります。 その最大の要因がファイル容量で、JPEG より4〜5倍のサイズになってしまいます。 (この比率はメーカーや機種によっても変わります) ですので、記録メディアの容量が同じであれば、撮影できる枚数が 1/4 〜 1/5 になってしまいます。 |
●JPEG と RAW の比較一覧 |
JPEG、RAW の、それぞれの特徴は以下のようになっています。 |
JPEG | RAW | |
利点 | ●1枚当りの画像容量が軽いので、記録メディアの容量が同じ場合は撮影枚数を多く出来ます。
●汎用性が高い画像形式なので、ほとんど全てのソフトや映像機器でそのまま見ることができます。 また、お店プリントなどの場合もそのまま利用できます。 ●撮影時点で画像として完成しますので後作業を必要としません。 |
●万一撮影時の設定を間違えても、後々ある程度は修正が利きます。(撮影時は撮影だけに集中できます) ●画質の劣化なしの状態でメディアに記録記録されます。 ●ホワイトバランスや明るさなどを、後からでも画質劣化なしに調整できるので、1枚のデータから雰囲気の異なる写真を仕上げることができます。 |
欠点 | ●撮影時の設定を間違えると、そのまま画像に反映されます。 ●最高画質で撮影しても、メディアに記録された時点でごくわずかに画像の劣化が発生します。 ●後々画像加工を行うと画質が劣化します。 |
●1枚当りの画像容量が重いので、記録メディアの容量が同じ場合は撮影枚数が少なくなります。 ●データ仕様が各カメラメーカー毎に異なるので専用ソフトがなければ画像として見ることが出来ず、汎用性はかなり低いです。 ●汎用性の高い画像形式に仕上げるための後処理が、必ず必要になります。 |
ポイント | ●画質や階調性の面は RAW には及びませんが、しかし一般的にほとんど区別がつかない程度のものです。 ●よほどのことでもない限り、一般的にはJPEG撮影で十分だと思います。 |
●集合写真や記念写真、結婚式での撮影など、特別に大切な撮影は RAW で撮っておくと安心です。 ●夜景やイルミネーション、また複数の光源が混在する室内など照明条件が難しい状況の時は、RAW で撮っておくと後で正確な色調を再現しやすいです。 |
主な 用途 |
●一般的な日常撮影。 ●スポーツ撮影のように、厳密な階調性より狙った瞬間を抑えることの方が優先となる撮影。 ●連写が必要となりバッファの速やかな開放が求められる撮影。 ●トータルの撮影枚数が相当に多くなることが予想される撮影。 ●報道写真のように、撮影後の写真データの使用に出来る限りの即時性が求められる事が前提となっている撮影。 |
●商品撮影など、可能な限り厳密な色味や階調性の再現が求められる撮影。 ●舞台演目など、光源が目まぐるしく変化する中でも、衣装などの色調を出来る限り調整して仕上げたい撮影。 ●明暗差の激しい状況の中で、最終的に出来る限り自然な印象に仕上げたい場合の撮影。 |
総じて、最終的に ”画質的な質” より ”量的な質” が求められる性質の撮影。 | 総じて、最終的に ”量的な質” より ”画質的な質” が求められる性質の撮影。 |
このように、JPEG ・ RAW それぞれに長所 ・ 短所がありますので、目的や状況によって使い分けるのがいいかと思います。 ただご注意いただきたいのは、RAWで調整出来る範囲にも限界があるということと、また手ブレやピンボケ、全体構図など、写真として描写された要素そのものを後から調整できるわけではありませんので、RAW で撮られる場合でも、撮影自体は決して油断せずに臨んでください。 ※2015年11月追記 このページの記事は、もともと2012年2月時点に記したものなのですが、その後、パソコンの性能と、特に記録メディアの性能 (容量・速度) が大幅に進化してまいりまして、最近では若干考え方が変わって来ている部分があります。 その辺りの事につきまして、少し こちらのページ で触れておりますので、よろしければご参考になさってみてください。 |
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