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カメラマンの撮影マナー 〜 京都寺社の撮影禁止事情



デジカメの普及に比例して、カメラマンの撮影マナーの問題が大きくなっています。
特にたくさんの人が訪れる観光地や撮影名所など、
カメラマン一人一人の、ちょっとした心掛け1つで、みんなが楽しく時間を過ごせるようになります。





カメラマンのマナー問題

近年、写真趣味のアマチュアカメラマンのマナー問題が大きくなってきています。
実はかく言うkenken自身も、思い返しますと、ついつい撮影に夢中になるあまり、少しでも良い写真を撮りたいと願うがあまりに、他の方にご迷惑をお掛けてしまっていたことも多々あったような気がするのですが、kenken自身の自戒の意も含めて、今、このページを書いております。

そもそも ”マナー” が問題となってくる過程には、基本的に幾つかの段階と幾つもの状況があるような気がするのですが、その最も初期のレベルとして関わってくるのが 『社会通念としての常識の範囲』 であるような気がします。
例えば鉄道写真でときどき耳にするマナー問題が、”線路に下りて写真を撮るカメラマン” とか ”踏み切りに立ち入ってアングルを狙うカメラマン” と言ったものなのですが、本来、『線路に下りる・踏み切りに立ち入る』 という事自体が、写真撮影云々以前に一般常識としてやるべきではありません。
他にも、例えば公園内の花壇などでは柵が無い場所もあれば柵が設けられている場所もあるのですが、少なくとも柵が設けられている場所については、たとえ立入禁止と書かれていなくてもそのための柵である、というのが一般的な解釈であるような気がします。

これら ”立入禁止の場所に入り込む” というのは写真撮影以前の問題だと思うのですが、その次に社会通念的なマナーとして挙げられそうなのが 『通行の妨げや邪魔になるかどうか』 という点のような気がします。
例えば公園では、『花壇の柵には入っていないけど花壇と花壇の間の狭い通路になっている』 という場合が多々あって、そこに三脚を構えて写真撮影をしていたりすると通行の邪魔になるのは当然です。

たぶん、この 『写真撮影が他の人の邪魔になるかどうか』 というのが、昨今のカメラマンのマナー問題の最大要因になっているような気がするのですが、写真撮影の場合気を付けないといけないのは、単に物理的な意味で邪魔になる事だけでなく 『撮影という行為に関して他の人に余計な気を使わせるような撮り方をしない』 あるいは 『撮影を通して常に他の方にも留意する』 という事だと思います。

kenken個人的には、これだったら何も問題はないと思います。

ですがこのような場合ですと通路そのものを物理的に塞いでしまっているので論外です。

こちらは通路を物理的に塞いでいる訳ではないのですが、でも第三者から見れば ”撮影という行為” を通して塞いでいるのも同然です。
もちろん、こういう位置や距離から撮りたい場合だって多々あるのですが、このような場合でも常に周りに留意して、ここを通ろうとしている人がいれば、
一旦、被写体を外す ”フリ” をしてでも、他の人に余計な気を使わせないくらいの心使いが大切な気がします。

『何もそこまで! 撮影が禁止されていない場所だったらカメラマンにも撮影できる権利があるハズだ!!』
・・・と、思われる方もいると思うのですが、『撮影できる権利がある』 ということと 『それが他の人の邪魔になる』 ということは全く別の問題です。 たぶん、そこが ”通路” である以上は通行の邪魔になる方がマナー違反である、というのが一般的な認識で、通路にシートを広げてお弁当を食べていたりすれば邪魔と感じるのと同じ事だと思われます。

逆に言いますと、例えば花見の席のように、それぞれに場所を確保して各々の目的で楽しむことが許されるような場所であれば、同じ様に場所を確保して撮影を楽しんでいたとしても、それは文句を言われる筋合いではないと思います。

※上の図は三脚の使用が禁止ではない場合です。これが三脚使用禁止の場所であれば ”三脚を使用すること” はマナー違反となります。

ただ、もちろんこれにも ”程度” があって、 例えば一人で10m四方もの場所を占領して 『ここはオレが確保した撮影エリアだ!』 というのは無理があるような気がします。
明確な基準がある訳ではないのですが、その時その時の混み方とか場の広さとか、その辺の兼ね合いを鑑みた上での一般常識的な感覚が、つまるところ ”マナー” というものなのかも知れないですね。



神社仏閣 - 三脚禁止は当り前で、撮影そのものが禁止となっている寺院も多々あります

神社仏閣といえば京都と奈良が有名で、特に京都は、桜や紅葉のシーズンはもちろん、古都の持つ日本の美そのものが絶好の被写体として一年を通して多くのカメラマンが訪れます。
しかしここ数年、京都では三脚使用どころか撮影自体が禁止となるところが続出してるようで、特にお寺の多くでは院内での撮影は一切禁止となっているようです。

京都のお寺の場合、院内に入って庭園やお茶を楽しめるところがたくさんあるのですが、撮影が禁止となった原因のほぼ全てがカメラマンのマナーが元となっているようです。

日本庭園の静寂の中、季節の美を愛でながら、ゆっくりとお茶や木々の葉摺れの風情を味わえる

そういう情緒が名所となっているお寺の中で、良い構図を求めてひたすら歩き回ったり、絶え間なくシャッター音を響かせたり、重要な文化財に寄りかかって傷を付けてしまったり、中にはカメラマン同士の喧嘩が元で一切の撮影が禁止となった寺院もあるのだそうです。
そこ(寺院)が基本的にどういう 『場』 であるのか、それを理解せずに ”良い写真を撮りたい” というカメラマン的な理由だけに意識が集中して、その結果、本来の目的でその場を訪れている皆さんに対して、部外者が土足で上がりこむかのようなご迷惑を掛けてしまう。

たぶん、それがマナー違反というものなのだと思います。

残念なことですが、京都・奈良に限らず、撮影目的で神社仏閣を訪れようとされる場合は、撮影禁止事情を前もって調べられた上で訪問された方が良いかも知れないですね。
そしてぜひ、みんなでマナーを考えて、仲良く写真撮影を楽しめるようにして行けると良いですね。

京都で撮影が禁止となっている寺社
岩倉実相院 床もみじが超有名なお寺なおですが、撮影は一切禁止。庭園はOKなようです。
大徳寺 黄梅院 入り口以降での撮影は一切禁止。
上賀茂神社 本殿と権殿は撮影禁止。
飛雲閣 金閣・銀閣と並ぶ京都三閣。公開は特別公開期間だけですが撮影は一切禁止。
醍醐寺三宝院 美しい庭園と春の桜で有名なお寺。庭園を含めて一切撮影禁止。
大徳寺大仙院 庭園を含めて、入り口以降の一切の撮影が禁止。
宝泉院 大原の額縁紅葉で有名なお寺ですが、2008年以降院内撮影は一切禁止。
宝筐院 紅葉の美しい嵯峨野のお寺。一切の撮影が禁止。
峰定寺 鞍馬のお寺。入り口にある仁王門以降は撮影は一切禁止。
曼殊院門跡 紅葉が美しい超有名どころですが、2008年以降撮影禁止。
地蔵院 西京区のお寺。庭園を含めて撮影禁止。
志明院 山門以降は一切の撮影が禁止。
鈴虫寺 庭園は撮影OKですが、講和で有名なお堂は撮影一切禁止。


▽関連項目
海水浴場やプールでの撮影注意点 - 迷惑防止条例について
街角スナップについて 〜 他人の写真を勝手に撮るということ








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